FXとは「外国為替証拠金取引の略称」で外国為替証拠金取引業者を通じて行う金融商品の一つになります。
一般的に知られている金融商品には株式取引がありますが、FXは株式取引に比べて少ない資金からでも始めることが可能です。
さらにレバレッジを掛けることで資金以上の取引が可能なのが大きな違いです。
本記事ではFXの金融商品としての特徴について解説していきます。
FXのメリット
数ある金融商品の中でも、FXにメリットがあると言えるポイントは以下の通りです。
- 運用資金
- 取引可能時間
- 自動売買
- スワップポイント
- 各種手数料
ではメリットに関して他の金融商品との比較も交えて解説します。
少額で始める事ができる
FXの最大の魅力はここにあります。
株式投資などは株の購入費用は株価✖購入株数となるため、株価の高い銘柄であれば数百万円などの費用が必要になります。
FX
証拠金×LOT数
1通貨からポジションを保有できるFX会社もある
レバレッジで少額でも大きな取引ができる※
※証拠金取引なのでポジションを保有するには証拠金維持率を保つ必要がある
株式投資
株価×購入株数
日本の証券会社では基本的に100株単位で購入できる
株価が高いほど購入代金が高くなる、また取引手数料が掛かる※
※1株単位から購入できる証券会社や銘柄もある
また、株式投資には投資先の企業が倒産するといったリスクがあります。
詳細は省略しますが、倒産した時点で購入した株の資産価値は0になってしまいます。
株式投資以外の金融商品であれば仮想通貨などがありますが、FXに比べてボラティリティが高く安定性に欠ける特徴があります。
FXはレバレッジ効果で少ない資金でも大きな金額の取引が可能なので、運用資金に対してリターンが大きい。
土日を除きほぼ24時間取引ができる
FXは株式市場と違い世界中の市場が相手なので、ほぼ24時間市場が開いています。
日中取引できない方でもFXなら取引が可能です。
ただし、インターバンク市場が閉じる土日は取引はできません。
日本時間の土曜日NYクローズ(アメリカのNY市場が閉じる時間)まで取引が可能です。
取引再開は日本時間の翌週月曜日午前6~7時です(FX会社によって違いがあります)
平日はほぼ24時間市場が動いているため、日中に取引できない方にはメリットになる
自動売買ができる
一部のFX口座では自動売買が可能です。自動売買とは事前にパターン化したプログラムの元に取引を自動で行うものです。
レンジ相場向き
決められた為替レートで売買注文を繰り返す取引方法、レンジ相場に向いている
トレンド相場向き
事前に決められた条件になると注文が執行される取引方法、裁量トレードに近い
自動売買の特徴はトレードのルールが明確なことにあります。裁量トレードのように、トレーダーの思惑が介入しません。
また、取引画面に張り付く必要もないため、取引に時間が取れないという方に有効な取引方法です。決められたルール通りに売買注文を執行する、それが自動売買です。
自動売買が利用できる口座はリピート型が多いです。
自動売買に関してはこちらの記事で詳しく解説しています。
注文を出しておけば、取引画面にアクセスすることなく自動で処理してくれるので、忙しい時でもトレードできる。
スワップポイントが発生する
FXは通貨発行国の金利の影響を受けます。FXにおける金利とは通貨スワップによる金利差の事でこれをスワップ金利と呼びます。
ポジションを保有すると金利差を調整したスワップポイントが付与されるため、スワップポイント目的のトレードも可能になります。
低金利通貨を売って、高金利通貨を買うとスワップポイントを貰う事になる
高金利通貨を売って、低金利通貨を買うとスワップポイントを払う事になる
スワップポイントは常に一定ではない点に注意が必要です。またFX会社によってもスワップポイントは異なります。
スワップポイントは取引数量と保有期間の長さに応じて差益が増減します。
ただし、高金利通貨を売って低金利通貨を買うと、スワップポイントを払う事になるので注意が必要です。
各種手数料が無料
ほとんどの金融商品は取引に手数料が発生します。
FXの場合、FX会社のほとんどが取引手数料だけでなく口座開設・口座への入出金なども手数料無料で行えます。
ここは他の金融商品と比べて大きな違いです。
ほとんどのFX会社で口座開設・取引口座への入出金・取引手数料などが無料
口座開設・取引口座への入出金は無料だが、多くの証券会社では取引手数料(約定代金)が発生する。定額プランなど一定の約定代金までは手数料無料などもある。
各種手数料が無料の取引所もあるが、多くの取引所では取引手数料※・入出金手数料が発生する。
※販売所取引に関しては原則無料
上記の比較を見ても分かる通り、FXはコストが少ないのが特徴です。取引コストはほぼスプレッドのみで収まるのはFXの魅力の一つです。
口座開設から口座への入金~取引き~出金まで一切の手数料が発生しない場合がほとんど。
FXのデメリット
FXはメリットばかりでもありません。ではデメリットにはどんなものがあるのか解説します。
- 値幅制限がない
- 常に相場の変動リスクがある
- 強制ロスカットがある
値幅制限が無い
日本の為替市場は変動相場制を採用しており、需給によって為替レートが自由に変動するため天井や底が存在しません。
多くの法定通貨が変動相場制を採用しているため、FX取引においても需給によって変動します。
需給次第でレートが上下するという事は値幅に制限が無いという事でもあります。FXが株式取引(国内現物株)と比べた際の大きな違いはここにあります。
国内株式取引であればストップ高・ストップ安など1日の取引に対して値幅制限があります。FXには値幅制限がないため含み損時は損失が拡大する可能性があります。
為替レートには値幅制限がないため、ドル円は上昇しても200円まで、下落しても50円までといった決まりがない。
国内株に関しては基準値に対して上下に値幅制限が定められている※
※臨時で制限値幅が拡大することもある
値幅制限がない点は含み益となった際のメリットです。しかし含み損になった場合は最悪、強制ロスカットになるまで損失が拡大する可能性もあります。
相場のボラティリティが拡大すると損益も拡大する。含み益時は大きな差益になるが、含み損時には強制ロスカットのリスクが高くなる。
相場の変動リスクがある
24時間取引が可能である点はFXのメリットですが、同時にデメリットにもなります。
東京市場が終わってもロンドン市場が始まり、さらにNY市場が始まるように外国為替市場は世界中で取引が続いています。
日本は株式市場が閉場し多くの人が寝静まっている。
米国は株式市場が開場し、多くの人が活動している※
※上記例は夏時間になります。
FXはポジションを持つと常に相場の変動リスクに晒されるため、寝ている時間にポジションが含み損になることもあります。
長期間ポジションを保有し続けると、相対的にリスクは高くなるため、保有ポジションの証拠金維持率には常に注意が必要です。
FXは夜間・深夜でも取引できる反面、常に為替レートの変動リスクがある
強制ロスカットがある
FXは証拠金取引なので、ポジションを保有するには証拠金維持率を保つ必要があります。
ポジションを保有するには常時証拠金維持率を保つ必要がある
一度保有すれば対象銘柄の企業が倒産しない限り保有できる
FXは取引口座の残高が証拠金維持率以下になるとマージンコールが発生し、さらに一定の維持率を割り込むと強制ロスカットになります。
強制ロスカットになると決済されポジションを失います。
強制ロスカットは現物株との大きな違いです。元本が保証されないので、保有するには証拠金維持率を保ち続けなくてはいけません。
また株にも信用取引という、FXと同じ証拠金取引がありますが、様々な手数料や取引ルールがありFXとは異なります。
FXでは為替レートの変動に応じてポジションの証拠金維持率が上下する。
一定の証拠金維持率を割った場合は強制ロスカットされるので、ポジションを保有するには取引口座に追加入金して維持率を上げる必要がある。
FXはどんな投資なのか?:まとめ
FXのメリットとデメリットは以下の通りです。
- 少額で始める事ができる
- 土日を除きほぼ24時間取引ができる
- 自動売買ができる
- スワップポイントが発生する
- 各種手数料が無料
- 値幅制限が無い
- 相場の変動リスクがある
- 強制ロスカットがある
このようにFXにはたくさんのメリットがあります。ただしデメリットもあります。値幅制限が無いので相場の変動次第ではどこまで上下します。
そのため、損切せずに耐えていると強制ロスカットもある点は十分注意必要です。