FXでは取引をする際にいくつかの注文方法があります。
取引注文には通貨ペアや取引数量、買いか売りかを決めるだけではありません。この記事ではFXの注文方法について解説します。
FXの注文内容について
FXでは取引注文時に注文内容を設定する必要があります。設定する内容は以下の通りです。
- 通貨ペア:取引する通貨ペアを選択します。
- 取引数量:取引する通貨ペアの数量を決めます。
- ポジションの方向:ポジションの方向を買いか売りかで選択します。
- 注文の有効期限:出した注文に有効期限を設定します。
- スリッページ幅の指定:スリッページの幅を指定します。
- 注文方法:成行注文、指値注文などの注文方法を選択します。
取引注文後、決済されて無い状態のことをポジションと呼ぶ。建玉とも表現する。
次に設定内容について解説します。
通貨ペア
取引する通貨ペアを選択します。ドル円・ユーロドル・ユーロ円などです。取引できる通貨ペアはFX口座によって違います。
また、選択した通貨ペアによって相場の流動性が異なるため、それぞれに適したトレードルールも必要です。
通貨ペアに関しては以下の記事が参考になります。
取引数量
選択した通貨ペアの取引数量を決めます。取引数量が大きくなるほど、損益も大きくなるため口座残高に対して適切な数量を設定しましょう。
通貨ペアには必要証拠金額があります。口座残高に対して必要証拠金額が大きいと証拠金維持率が低くなるため、強制ロスカットの可能性が高くなります。
強制ロスカットに関しては以下の記事が参考になります。
ポジションの方向
選択した通貨ペアの売買方向を決めます。買いか売りのどちらかを選択します。
FXでは買いでも売りでも注文が出せるため、相場環境に合わせて取引が可能です。
上昇相場に対して買いでポジションを持つことを順張り、売りの場合だと逆張りと呼びます。
注文の有効期限
FXでの取引注文には有効期限を設定することが可能です。期限の設定方法はFX口座によって違いがあります。
主に当日のみ、日付指定、無期限などから指定します。期限を指定すると指定された期限までは注文が有効になります。
指定した期限内に注文が約定されない場合、期限が過ぎると注文は失効されます。
スリッページの指定
成行注文ではスリッページの指定ができます。
スリッページを指定することで、約定時に許容できる為替レートを設定できます。
注文時の為替レートと約定した為替レートに乖離が起こること。相場の流動性が低下すると発生しやすい。FXでのスリッページの指定は、許容できるスリッページの幅を決めることを言う。
スリッページを指定することで、不利な条件で約定することを避けることができます。
また、スリッページは有利な条件でも約定することがあるため、メリットの大きな設定です。
注文方法の種類
FXでは取引注文時に通貨ペア、数量、ポジションの方向を選択すると最後に注文方法も決めることになります。
注文方法とは、相場に対してどのような形で注文を出すのか?その方法の選択になります。
FXでは主に以下の注文方法があります。
- 成行注文:現在の為替レートで約定させます。
- 指値注文:現在の為替レートよりも、有利な為替レートで約定させます。
- 逆指値注文:現在の為替レートよりも、不利な為替レートで約定させます。
- IFD注文:新規注文と、指定した為替レートでの決済注文を出します。
- IFO注文:新規注文と、利確と損切になる注文を同時に出します。
- OCO注文:異なる2つの注文を出します。片方が成立すると片方はキャンセルされます。
成行注文
市場で取引されている現在の為替レートで注文を出します。FXでの注文方法としては基本となる注文方法です。
リアルタイムでの注文となるため、相場環境によっては想定外のレートで約定することもあります。
なるべく有利な為替レートで約定したい場合は指値注文を利用しましょう。
指値注文
現在の為替レートよりも、有利な為替レートで注文することを指値注文と呼びます。
指定した為替レートに到達するまで執行されないので、チャートを監視しなくて済みます。
ただし、スリッページやFX口座のサーバー遅延などで注文が約定しないこともあります。
また、注文の有効期限も設定できます。無期限から日付指定や時間指定などがあります。
逆指値注文
現在の為替レートよりも、不利な為替レートで注文することを逆指値注文と呼びます。
逆指値注文は損切としての使い方が基本ですが、通常の注文としても使えます。
例えば、指定した為替レートを超えると更にレートが上昇(下落)すると予想できる時などです。
仮に現在の為替レートが1ドル149円で、150円に買いの逆指値注文出すとします。
逆指値注文には上記の例のような使い方ができます。ただ、指値注文でも同じように為替レートを指定できるので、逆指値注文に拘る必要はありません。
逆指値注文は基本的に損切を目的とした注文方法です。
IFD注文
IFD注文とはIf Done注文の略です。新規注文が執行したら、決済注文を発注するという注文方法です。
上記のように、IFD注文では新規と決済の注文を一括で行えます。
新規注文は成行注文か指値注文を選択します。決済注文は指値注文で利確する為替レートを指値で指定します。
IFO注文
IFO注文とはIFD注文とOCO注文を合わせた注文方法です。
新規注文と、利確と損切の決済注文を出します。
IFDでは新規注文と利確のみの決済注文でしたが、IFO注文では加えて損切の注文も指定できます。
1度の注文で新規・利確・損切まで行えるため、非常に便利な注文方法です。一度注文を出せばチャートを監視する必要がないのは大きなメリットになります。
OCO注文
OCO注文は利確と損切の決済注文を同時に出す注文方法です。
OCO注文は新規注文後のポジションに対して行います。1度で利確と損切の注文ができるため、注文後はチャートを監視しなくて済みます。
FXの取引注文のやり方:まとめ
FXでは取引注文に様々な設定が可能です。リアルタイムでチャートを見ながらトレードする場合でも、これらの注文方法を上手く活用することでスムーズな取引ができます。
特に複数のポジションを持った場合は、ポジションの管理が難しくなるため、IFDやIFOなどは便利な注文方法になります。